【2026年最新】なぜ名捕手の「フレーミング」は死語になったのか?ロボット審判(ABS)が破壊した野球の常識
プロ野球やMLBを見ていると、解説者がよくこんなことを言っていました。 「今のキャッチャー、フレーミングが上手いですね。ボールをストライクに見せました」
際どいコースのボールを、キャッチング技術でストライクゾーンに収まっているように見せる技術。長年、名捕手の絶対条件とも言われてきたこの「フレーミング」ですが、2026年現在、最先端の野球界では**完全に死語(無駄な技術)**になりつつあるのをご存知でしょうか?
その元凶こそが、野球の歴史を根本から覆した**「ロボット審判(ABS:自動ストライク判定システム)」**です。
フレーミングとは「人間の錯覚」を利用した技術だった
そもそも、なぜフレーミングという技術が存在したのか。 それは、アンパイア(球審)が「人間」だからです。
人間の目は、ミットが動いた方向や、キャッチャーの体勢に無意識のうちに引っ張られます。 「外角低めに逃げていくボール」を、ミットをピタッと止めて内側に少し引くことで、球審の脳に「おっ、ストライクゾーンに入っていたな」と錯覚させていたのです。
これは長年、「芸術的なキャッチング」として称賛されてきました。(一部のファンからは『ただのミットずらしの誤魔化しだ』と批判もありましたが)
しかし、ロボットには「錯覚」が通用しません。
ABS(ロボット審判)がもたらした残酷な3D判定
AIカメラとトラッキングシステムを利用したABS(Automated Ball-Strike system)は、球場に設置された複数の高性能カメラでボールの軌道を完全に3Dスキャンします。
以下の図解を見てください。

人間(左)のストライクゾーンは、バッターの構えやキャッチャーの捕球姿勢によって、どうしても楕円形で不規則なブレが生じます。
対してロボット(右)は、ホームベースの上の空間に**「完璧な3Dの直方体(箱)」**を描画します。 この箱のラインをボールが1ミリでもかすめれば「ストライク」、外れれば「ボール」。ただそれだけです。
キャッチャーがミットをどう動かそうが、ボールをこぼそうが、判定には1ミリも影響を与えません。判定結果は瞬時に球審のイヤホンに伝達され、コールされます。
キャッチャーに求められるスキルのパラダイムシフト
これにより、各球団の「キャッチャーの評価基準」は劇的に変わりました。
フレーミング技術に長けたベテラン捕手よりも、以下の能力を持つ捕手が圧倒的に重宝されるようになっています。
- ブロッキング(ワンバウンドを止める技術): ストライクを誤魔化す必要がなくなったため、投手が際どい変化球(スイーパーやスプリット)を思い切り投げ込めるようになりました。それを絶対に後ろに逸らさない壁性能が最重要視されています。
- 盗塁阻止(スローイング): ルール変更によりベースが大きくなり、盗塁が増加している現代野球において、強肩は絶対的な武器です。
- リード(配球)のデータ処理能力: 対戦打者の膨大なデータを頭に叩き込み、瞬時に最適な球種を選択する頭脳。
「ストライクをストライクと判定する」 文字にすれば当たり前のことですが、この透明性がもたらした野球のパラダイムシフトは計り知れません。
次回球場で観戦する際、あるいは最新のVODサービスで中継を見る際は、キャッチャーの「捕り方」ではなく「止め方」と「投げ方」に注目してみてください。現代野球の本当の面白さが見えてくるはずです。



