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いまさら聞けない野球
【完全図解】野球のボークとは?全13種類の反則動作一覧とペナルティを初心者向けに徹底解説

【完全図解】野球のボークとは?全13種類の反則動作一覧とペナルティを初心者向けに徹底解説

公開日: 2026年9月12日

「プロ野球中継を見ていたら、審判が突然『ボーク!』と叫んでランナーが進塁した…何が起きたの?」 「ピッチャーがほんの少しピクッと動いただけに見えるのに、なぜ反則になるの?」 「一塁へ投げるふりをするのと、二塁へ投げるふりをするので何が違うの?」

野球のルールブックを開いて、選手も指導者も審判も最も頭を抱える難解ルールの代表格が「ボーク(Balk)」です。

ピッチャーがボールを投げる際、あるいはランナーを牽制する際の一挙手一投足に極めて細かい制限が設けられており、わずかな静止不足や足の角度の違いだけで反則を取られてしまいます。

しかし、なぜこれほど細かく厳しいルールが存在するのかという「本質」を知ると、ピッチャーとランナーのハイレベルな心理戦が何倍も面白く見えてきます。

この記事では、ボークが存在する根本的な理由から、公認野球規則に定められた全13種類のボーク一覧、試合で頻出する4大ボーク、そしてランナーがいない場合のペナルティまで、完全図解で初心者にもわかりやすく徹底解説します!


そもそも「ボーク」とは何か?ルールの目的

ボークを理解する上で最も大切な大原則は、「ボークは誰のために作られたルールなのか?」を知ることです。

英語の「Balk(ボーク)」には、「邪魔する」「立ち往生させる」「出し抜く」「欺く(あざむく)」という意味があります。 つまり、ボークとは「ピッチャーが不正な動作(だまし討ち)を使って、ランナーを不当に騙してアウトにすることを禁止するルール」です。

もしボークというルールがなかったら?

ピッチャーがホームへ投球するフォームに入ったと見せかけて、途中でピタッと止まって一塁へ投げたり、ボールを持っていないのに投げるふりをしてランナーを誘い出したりできたらどうなるでしょうか。 ランナーはいつ投球されるのか、いつ牽制されるのかが全く分からなくなり、フェアな走塁やリードが一切できなくなってしまいます。

野球は「フェアプレーの精神」を重んじるスポーツです。 ピッチャーに対して「投球するなら正々堂々と投げなさい。ランナーを騙すようなフェイント動作でアウトを取ってはいけません」と厳格に義務付けたのがボークの正体です。

ボークが宣告された時のペナルティ

塁上にランナーがいる場面でボークが宣告されると、審判員は即座に右手を挙げてコールします。

  • プレーの扱い: ボールデッド(試合が一時中断)
  • ペナルティ: 塁上にいる「すべてのランナー」に「1つの安全進塁権(1個の進塁)」が与えられる
    • 1塁ランナー ➔ 2塁へ進塁
    • 2塁ランナー ➔ 3塁へ進塁
    • 3塁ランナー ➔ 本塁(ホーム)へ生還して「1点」獲得!

満塁の場面でボークを犯せば、ヒットも打たれていないのに相手チームにタダで1点を献上してしまうため、試合の勝敗を直結して揺るがす極めて重い反則です。

マウンドと走塁の補足図解


【完全保存版】公認野球規則に定められた「ボーク全13種類」一覧表

公認野球規則 6.02(a) では、投手の反則行為として以下の「13項目」が明確に規定されています。

番号反則行為の内容分かりやすい解説と具体例
1投球動作の中断投球動作を途中で急にやめたり、投げるのをストップした場合
2塁への偽投(投げるふり)の禁止投手板を踏んだまま「一塁」または「三塁」へ投げるふりをした場合
3踏み出し足の方向不備牽制球を投げる際、送球する塁の方向へ足をまっすぐ踏み出さなかった場合
4走者のいない塁への送球・偽投走者がいない塁へ、アウトを取る目的以外で不用意に送球・偽投した場合
5反則投球(クイックピッチ)打者がバッターボックスでまだ構えていないのに急いで投球した場合
6打者に正対しない投球バッターの正面を向かずに投球した場合
7投手板から離れた投球動作投手板(プレート)に触れていないのに投球フォームに入った場合
8不必要な試合遅延意図的にボールを長く持ったまま時間を浪費し試合を遅らせた場合
9ボールを持たずに投手板に立つボールを持っていないのにプレートを踏んだり投球のまねをした場合(隠し球防止)
10ボールから手を離す行為セットポジション等で両手を合わせた後、投球・送球以外で片手を離した場合
11故意のボール落球プレートを踏んでいる状態で、故意または過失でボールをポロッと落とした場合
12敬遠時の捕手位置違反故意四球(敬遠)の際、投手がボールを投げる前にキャッチャーが枠外に出た場合
13セットポジションでの静止不十分セットポジションをとった際、投球前に「完全静止」を怠った場合(最多頻出!)

試合で最も頻出する「4大ボーク」の徹底解説

13種類あるボークの中でも、プロ野球や高校野球、草野球で実際に取られるボークの9割以上は以下の「4つ」に集中しています。

1. セットポジションでの「完全静止」不十分(最多頻出!)

ボークの中で最も宣告される頻度が高いのがこれです。 ピッチャーが走者を塁に置いてセットポジション(グラブとボールを胸の前などで合わせる姿勢)をとった際、投球動作へ移行する前に「身体全体がピタッと完全に止まる時間(完全静止)」を作らなければなりません。

  • 静止が流れてしまう(流し投げ)
  • 首やグラブだけが微妙に動いている
  • 止まったか止まっていないか分からないほど一瞬で投げ出した これらはすべて審判からボークを宣告されます。止まる時間は公認野球規則に秒数の規定はありませんが、審判員や観客から見ても「完全に止まった」と分かる明確な静止が義務付けられています。

2. 牽制球の時に「足が正しく踏み出されていない」

ピッチャーが一塁や二塁へ牽制球を投げる際、軸足ではない方の足(自由足)を「送球する塁の方向」へしっかりとまっすぐ踏み出さなければなりません。 身体はホーム方向へ向いているのに手先だけで一塁へ投げたり、足が一塁から大きく逸れた方向(45度以上ホーム寄りなど)に着地して牽制すると、ランナーをだます不正動作としてボークになります。

3. 一塁・三塁への「偽投(投げるふり)」

投手板(プレート)を踏んだままの状態で、一塁へ腕を振って投げるふりをするのはボークです。 ※2013年のルール改正により、従来認められていた「三塁への偽投」も全面禁止となりました。 ただし、超重要な例外として「二塁への偽投だけはプレートを踏んだままでも認められている」という点があります。これは二塁走者に対する駆け引きを保つための特別ルールです。

4. プレートを踏んだままのボール落球(ポロリ)

マウンド上でサインを見ている時や構えた時に、手元が滑ってボールを地面にポロッと落としてしまうミスです。 ピッチャーがプレートに足を触れている状態でボールを落とすと、それだけで自動的にボークが宣告され、ランナーが進塁してしまいます。


ランナーがいない時はどうなる?「不正投球」との違い

「ランナーが誰もいない時でもボークになるの?」という疑問をよく耳にします。

結論から言うと、ランナーがいない場面ではボークとは呼ばず、「反則投球(イリーガルピッチ)」という別の扱いになります。

  • ランナーがいる時: 「ボーク」となり、全走者が1つ進塁。
  • ランナーがいない時: 進塁させるランナーが存在しないため、バッターへのカウントに「自動的に1ボール」が加算されます。

例えば、バッターがまだ構えを完了していないのにいきなり投球した場合(クイックピッチ)や、プレートから足を外さずに不正なモーションで投げた場合、投球結果がストライクであっても審判に反則投球を取られて「ボール」判定に変更されます。


初心者・指導者が必ず知っておくべきボークのQ&A

Q1. プレートを外す(仕切り直す)時はどう動けばボークにならない?

A. 軸足を必ずプレートの「真後ろ(後方)」へ外してください! ピッチャーが一度構えた後、サインが合わずにプレートを外したい場合、軸足をプレートの横や前方に外すとボークを取られる危険があります。軸足をプレートの真後ろへまっすぐ引いて外せば、ピッチャーは「野手」扱いとなり、ボールを保持したまま自由に動くことができます。

Q2. ボークを宣告された球をバッターが打ったらどうなる?

A. 打撃結果が優先される場合があります! ボークの宣告と同時にピッチャーがボールを投げてしまい、それをバッターが痛烈に打ち返してホームランやヒットになった場合、バッターおよび塁上の全ランナーが少なくとも1つ以上の進塁を果たしていれば、ボークの宣告は取り消され、「ホームランやヒットの打撃結果がそのまま有効」となります。攻撃側にとって有利な結果を優先する救済措置です。

Q3. 「隠し球(かくしだま)」でボークになる境界線は?

A. ピッチャーがボールを持たずにプレートに触れると即ボークです! 野手(一塁手や三塁手など)がグラブの中にボールを隠し持ち、油断してベースから離れたランナーにタッチしてアウトを狙うトリックプレーが「隠し球」です。 この時、ピッチャーがボールを持っていないのにマウンドのプレートを踏んだり跨いだりすると、審判からボーク(第9項違反)を取られて失敗します。隠し球を成立させるためには、ピッチャーはマウンドから離れた場所で知らん顔をして待機していなければなりません。


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